【韓国人から見た日本語】「주로」はいつも「主に」?日本人が会話で使う意外な表現

  こんにちは! Jです。 韓国語の주로を日本語で調べると、一般的に「主に」と出てきます。 주로 (チュロ/主に) 意味もよく似ているため、韓国人は日本語を話すとき、주로をそのまま「主に」に置き換えようとします。 私も日本で暮らし始めたころ、会話の中で「主に」と言いたくて、おもにと何度か言ってみました。 ところが、発音やイントネーションが微妙に違っていたためか、相手から「お母さん?」と聞き返されることがありました。 「主に」と言っているつもりなのに、なぜ通じないのだろう? それだけではありません。日本人の会話を聞いていると、韓国語なら주로を使いたくなる場面でも、あまり「主に」と言っていないことに気づきました。 では、日本人は주로に当たる内容を、どのように表現しているのでしょうか。 今回は、韓国語の주로と日本語の「主に」の違い、そして日本人が会話でよく使う「普段」「よく」「たいてい」「~ことが多い」などの表現について考えてみましょう。 1.주로と「主に」は同じ意味ではないの? 韓国語の주로と日本語の「主に」は、基本的にはよく似ています。 どちらも、複数の人・物・方法などの中で、中心となるものや割合の大きいものを表します。 이 블로그에서는 주로 한국어 회화 표현을 소개합니다. (イ ブルログエソヌン チュロ ハングゴ フェファ ピョヒョヌル ソゲハムニダ/このブログでは、主に韓国語の会話表現を紹介します) 이 가게에는 주로 젊은 사람들이 와요. (イ カゲエヌン チュロ チョルムン サラムドゥリ ワヨ/この店には、主に若い人たちが来ます) 사고의 원인은 주로 부주의입니다. (サゴエ ウォニヌン チュロ プジュイイムニダ/事故の原因は、主に不注意です) このような文では、주로を「主に」と訳しても自然です。 日本語でも「主に」は、説明、紹介、分類、原因、対象などについて、何が中心なのかを示すときによく使われます。 つまり、「日本人は主にを使わない」ということではありません。 ただし、韓国語の주로は、日常的な習慣やよくする行動について尋ねる会話でも、非常によく使われます。 このような場面では、日本語の「主に」よりも、別の表現のほうが自然になることがあるのです。 2.韓国人が日常会話でよく使う주로 韓国で...

【韓国語会話】 韓国人が「お電話させていただきます」で混乱する理由

 「お電話させていただきます」 なぜ韓国人は混乱するの?

韓国人が日本語を勉強し始めると、ある表現の前で立ち止まることがあります。

それは、次のような言葉です。

お電話させていただきます。

日本人にとっては、とても自然で丁寧な表現ですよね。

しかし、私が初めてこの表現を聞いたときは、本当に混乱しました。

「電話をしてもらうという意味?」

「電話してくださいという意味?」

「それとも、自分が電話するという意味?」

日本語を勉強したことがある韓国人なら、一度は似たような疑問を持ったことがあるかもしれません。

では、なぜ韓国人は「お電話させていただきます」を理解しにくいのでしょうか。

その理由は、単語の意味だけではありません。韓国語と日本語では、自分の行動を丁寧に伝える方法が少し違うからです。

今回は、「電話드리겠습니다」と「お電話いたします」「お電話させていただきます」を比べながら、韓国語と日本語の敬語の違いを分かりやすく整理します。

1.韓国人は、なぜ「させていただきます」で混乱する?

韓国人の日本語学習者は、最初に「させる」を次のような意味で習います。

させる
させる・するように言う・することを許す

韓国語では、文脈によって次のように訳します。

하게 하다
ハゲ ハダ
させる

시키다
シキダ
させる・やらせる

そして、「いただく」は「もらう」の謙譲語として習います。

いただく
받다の謙譲表現
いただく・もらう

そのため、「電話させていただきます」を単語ごとに理解しようとすると、韓国人の頭の中では次のようになります。

電話する
전화를 하다
チョナルル ハダ

電話させる
전화를 하게 하다
チョナルル ハゲ ハダ

電話させていただく
전화를 하게 해 주는 것을 받다?
チョナルル ハゲ ヘ ジュヌン ゴスル パッタ?

直訳すると、「電話することを許してもらう」という複雑な形に見えます。

そのため、韓国人は一瞬、誰が電話するのか分からなくなってしまうのです。

しかし、「お電話させていただきます」で実際に電話する人は、話している本人です。

つまり、基本的な意味は次のようになります。

お電話させていただきます。
제가 전화드리겠습니다.
チェガ チョナドゥリゲッスムニダ。
私がお電話いたします。

2.「させていただきます」は、ただ丁寧にする言葉ではない

「させていただきます」は、「します」を長く丁寧に言い換えただけの表現ではありません。

基本的には、次の二つの気持ちが関係しています。

  • 相手や第三者の許可を受けて、その行動をする

  • その行動をすることで、自分が恩恵を受ける

例えば、相手から万年筆を借りて使った場合は、とても自然です。

素敵な万年筆を使わせていただき、ありがとうございました。
素敵な万年筆を使うことを許していただき、ありがとうございました。

また、発表する機会を与えられた場面でも使えます。

それでは、発表させていただきます。
それでは、発表する機会をいただきましたので、発表します。

ただし、実際の日本語では「させていただきます」が、本来の許可や恩恵がそれほど強くない場面でも、丁寧な決まり文句として広く使われています。

そのため、すべての「させていただきます」を不自然だと考える必要はありません。

大切なのは、「させていただきます」が必要な場面と、もっと簡潔な敬語で十分な場面があるということです。

3.「お電話いたします」でも十分に丁寧

自分が後で電話することを相手に伝えるだけなら、次の表現で十分に丁寧です。

後ほど、お電話いたします。
이따가 전화드리겠습니다.
イッタガ チョナドゥリゲッスムニダ。
後ほど、お電話いたします。

「いたします」は「する」の謙譲語です。自分の行動を低く表すことで、相手に敬意を示します。

一方、電話をすることについて相手の了承を得ている場合や、「では、こちらから電話しますね」という配慮を強く表したい場合には、次の表現も使われます。

後ほど、お電話させていただきます。
나중에 전화드리도록 하겠습니다.
ナジュンエ チョナドゥリドロク ハゲッスムニダ。
後ほど、お電話させていただきます。

どちらも実際に使われますが、基本的な違いは次のとおりです。

日本語基本的な感覚
お電話いたします自分の「電話する」という行動を謙虚に伝える
お電話させていただきます相手の許可や配慮のもとで電話するという気持ちを加える

「させていただきます」を使えば、いつでも「いたします」より丁寧になるというわけではありません。

場面によっては、「お電話いたします」のほうが簡潔で自然です。

4.韓国語の「전화드리겠습니다」にも相手への配慮がある

以前の私は、韓国語と日本語の違いを次のように考えていました。

韓国語は「私がします」と伝える言語。
日本語は「させてもらいます」と伝える言語。

確かに、韓国語の「-겠습니다」には、話し手の意志や予定をはっきり示す働きがあります。

전화하겠습니다.
チョナハゲッスムニダ。
電話します。

설명하겠습니다.
ソルミョンハゲッスムニダ。
説明します。

しかし、韓国語も単に「私がします」と言っているだけではありません。

次の文を見てください。

전화드리겠습니다.
チョナドゥリゲッスムニダ。
お電話いたします。

「드리다」は「주다(あげる)」の謙譲表現です。

話し手が自分の行動を低く表しながら、その行動を受ける相手を高めています。

つまり、「전화드리겠습니다」には二つの要素が入っています。

  • 「-겠습니다」で自分の意志や予定を伝える

  • 「드리다」で行動を受ける相手に敬意を表す

韓国語も、決して相手への配慮がない直接的な言語ではありません。

日本語と韓国語では、相手への敬意を文の中に入れる方法が違うのです。

5.「전화하겠습니다」と「전화드리겠습니다」の違い

二つの表現を比べてみましょう。

전화하겠습니다.
チョナハゲッスムニダ。
電話します。

전화드리겠습니다.
チョナドゥリゲッスムニダ。
お電話いたします。

「전화하겠습니다」は、電話するという自分の行動や予定を丁寧に伝えています。

「전화드리겠습니다」は、電話を受ける相手への敬意まで含んでいます。

そのため、お客様や先生、上司などに「私から電話します」と伝える場合は、「전화드리겠습니다」がより自然です。

확인하고 다시 전화드리겠습니다.
ファギナゴ タシ チョナドゥリゲッスムニダ。
確認して、もう一度お電話いたします。

내일 오전에 전화드리겠습니다.
ネイル オジョネ チョナドゥリゲッスムニダ。
明日の午前中にお電話いたします。

담당자가 나중에 전화드릴 거예요.
タムダンジャガ ナジュンエ チョナドゥリル コエヨ。
担当者が後ほどお電話いたします。

「제가」をつけると、電話する人が自分であることを強調できます。

제가 전화드리겠습니다.
チェガ チョナドゥリゲッスムニダ。
私がお電話いたします。

しかし、誰が電話するか分かっている場面では、「제가」を必ず言う必要はありません。

다시 전화드리겠습니다.
タシ チョナドゥリゲッスムニダ。
改めてお電話いたします。

韓国語では主語を省略することが多いため、この形のほうが自然な場面もたくさんあります。

6.同じ場面を韓国語と日本語で比べてみよう

① 電話をする

다시 전화드리겠습니다.
タシ チョナドゥリゲッスムニダ。
改めてお電話いたします。

後ほど、お電話いたします。

電話することについて相手の了承を得ている場合は、次のようにも言えます。

後ほど、お電話させていただきます。

② 説明する

제가 설명드리겠습니다.
チェガ ソルミョンドゥリゲッスムニダ。
私がご説明いたします。

私からご説明いたします。

説明する機会や許可を与えられたことを意識する場合は、次の表現も使われます。

私からご説明させていただきます。

③ 資料を送る

자료를 보내 드리겠습니다.
チャリョルル ポネ ドゥリゲッスムニダ。
資料をお送りいたします。

資料をお送りします。

相手の希望や了承を受けて送るという気持ちを強く表す場合は、次のようにも言えます。

資料を送らせていただきます。

④ 案内する

회의실로 안내해 드리겠습니다.
フェイシルロ アンネヘ ドゥリゲッスムニダ。
会議室へご案内いたします。

会議室へご案内いたします。

案内する許可を得たことや、その役割を与えられたことを意識する場合は、次の表現も可能です。

会議室へご案内させていただきます。

このように、韓国語の「-아/어 드리겠습니다」に必ず「させていただきます」が対応するわけではありません。

多くの場合、日本語の「お・ご~いたします」や「お~します」が自然な訳になります。

7.韓国語と日本語は、正反対ではない

韓国語と日本語の丁寧な表現は、一見すると正反対に見えます。

しかし、詳しく見ると共通点もあります。

韓国語:전화드리겠습니다.
チョナドゥリゲッスムニダ。
お電話いたします。

日本語:お電話いたします。

どちらも自分の行動を控えめに表すことで、相手に敬意を示しています。

違いが分かりやすく表れるのは、「させていただきます」を使う場合です。

韓国語では、「-겠습니다」で自分の意志や予定を示し、「드리다」で相手への敬意を表します。

日本語では、「いたします」で自分の行動を低く表します。また、相手の許可や自分が受ける恩恵を意識する場面では、「させていただきます」を使うことがあります。

つまり、次のように整理できます。

韓国語と日本語は、相手を大切にする気持ちが違うのではなく、その気持ちの見せ方が違う。

ここが今回の一番大切なポイントです。

8.「敬語」と「尊敬語」は同じ意味?

ここで、日本語の用語も簡単に整理しておきましょう。

「敬語」と「尊敬語」は、まったく同じ意味ではありません。

敬語は、相手への敬意や丁寧さを表す言葉全体の名前です。

その中に、尊敬語、謙譲語、丁寧語などがあります。

種類働き
尊敬語相手や話題の人物の行動を高めるいらっしゃる・おっしゃる
謙譲語自分の行動を低くして相手を高める伺う・申し上げる・いたす
丁寧語文全体を丁寧にするです・ます

「お電話いたします」の「いたします」は、自分の行動を控えめに表す言葉です。そのため、尊敬語ではなく謙譲語に当たります。

韓国語でも、敬意の向かう相手によって表現が変わります。

오세요.
オセヨ。
いらっしゃいます。

→ 行動する人を高めています。

전화드리겠습니다.
チョナドゥリゲッスムニダ。
お電話いたします。

→ 自分の行動を低く表し、その行動を受ける相手を高めています。

最初から難しい用語をすべて覚える必要はありません。

まずは、次の違いだけ分かれば十分です。

尊敬語は相手の行動を高める。
謙譲語は自分の行動を低くして相手を高める。
敬語は、それらを含む全体の名前。

9.日本人が韓国語を話すときの注意点

日本人が韓国語を話すとき、「させていただきます」をそのまま韓国語に訳そうとすると、文が複雑になってしまうことがあります。

しかし、多くの場合は難しく考えなくても大丈夫です。

「私がします」という意志を伝えるときは、「-겠습니다」を使います。

「相手のためにします」「相手にして差し上げます」という敬意を加えたいときは、「-아/어 드리겠습니다」を使います。

説明します。
설명하겠습니다.
ソルミョンハゲッスムニダ。

ご説明いたします。
설명드리겠습니다.
ソルミョンドゥリゲッスムニダ。

送ります。
보내겠습니다.
ポネゲッスムニダ。

お送りします。
보내 드리겠습니다.
ポネ ドゥリゲッスムニダ。

お手伝いいたします。
도와드리겠습니다.
トワドゥリゲッスムニダ。

日本語の形を一語ずつ韓国語に置き換えるのではなく、誰が何をして、その行動が誰に向かっているのかを考えると、自然な韓国語を選びやすくなります。

10.Jからのメッセージ

私が初めて「お電話させていただきます」を聞いたときは、誰が誰に電話するのか本当に分かりませんでした。

しかし、この表現が単に難しい敬語なのではなく、相手の許可や配慮を意識した日本語らしい表現だと分かると、少しずつ理解できるようになりました。

同時に、韓国語の「전화드리겠습니다」にも、相手を高める気持ちがきちんと入っていることに改めて気づきました。

韓国語は主体的で、日本語は受け身。

韓国語は直接的で、日本語は相手への配慮を重視する。

そのように単純に分けることはできません。

どちらの言語にも相手を大切にする気持ちがあります。ただ、その気持ちを言葉にする方法が少し違うのです。

この違いを理解すれば、敬語を単語の形だけで暗記するのではなく、相手との関係や場面に合わせて選べるようになります。

11.3分で復習!保存版まとめ

表現基本的な意味と働き
전화하겠습니다電話します
전화드리겠습니다相手を高めて「お電話いたします」
お電話いたします自分の行動を謙虚に伝える
お電話させていただきます許可や恩恵を意識して電話すると伝える
-겠습니다自分の意志や予定を丁寧に示す
-아/어 드리겠습니다相手のためにする行動を丁寧に表す
敬語尊敬語・謙譲語・丁寧語などを含む全体の名前
尊敬語相手や話題の人物の行動を高める
謙譲語自分の行動を低くして相手を高める

最後に、今日の核心をもう一度確認しましょう。

다시 전화드리겠습니다.
タシ チョナドゥリゲッスムニダ。
改めてお電話いたします。

韓国語では、「-겠습니다」で話し手の意志を示し、「드리다」で相手への敬意を表します。

日本語の「お電話いたします」は、自分の行動を控えめに伝える表現です。

「お電話させていただきます」は、そこに相手の許可や、自分が受ける恩恵の気持ちを加えた表現です。

同じ敬意でも、韓国語と日本語では見せ方が違う。

この感覚が分かれば、「전화드리겠습니다」と「お電話させていただきます」の違いも、もう迷わなくなります。


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